Target periodic system¶
このセクションでは計算対象の周期境界条件の課された系についての設定を行います。 この設定はTarget moleculeの設定と排他的です。 また、密度フィッティング近似が常に有効です。
Geometry¶
計算対象の分子構造をデカルト座標またはZ-matrix記法で指定できます。未指定の場合はエラーが発生します。
Atoms¶
分子を構成する原子核をリストとして入力します。
Coordinates¶
atoms
に入力した原子核のリストの順番に対応した座標のリストで、1つの分子構造を指定します。
分子の座標は単位をÅとして入力します。
Dimension¶
周期性をもつ次元の数を入力します。 規定値は3です。
Translation Vector¶
周期境界条件を特徴づける並進ベクトルをtrans_vector
をキーとしてリストで入力します。
Grid of K-points¶
逆格子空間の3次元を何等分したk点で計算するかをkpt_grid_shape
をキーとしたリストで入力します。
Basis set¶
PySCF でサポートされている基底関数が設定できます。未指定の場合はエラーが発生します。
Multiplicity¶
求めたい状態のスピン多重度 \(2S+1\) の値。未指定の場合若しくは電子数と矛盾が生じる場合はエラーが発生します。
Number of excited states¶
求めたい励起状態の数 (デフォルトは0)
Complete active space¶
活性空間の軌道数と電子数を設定することで完全活性空間cas
を指定できます。
active_orb
: 活性空間の軌道数active_ele
: 活性空間内の電子数cas_list
: 活性空間に含める軌道番号(0から開始)のリスト。入力がない場合はHOMO,LUMO周辺から活性軌道が選ばれます。
cas_for_each_k
で、k点ごとの活性空間が指定可能です。cas
のリストとして入力します。
Scaled center¶
k点の中心をscaled_center
で指定した量だけシフトします。シフト量は、逆格子ベクトルに対する係数として\([-1, 1]\)の範囲で指定します。
Cartesian basis functions¶
PySCFで使用されるd軌道とf軌道の基底関数として、\(S_z\) 固有状態の既約表現(5d, 7f)の代わりに、デカルト基底関数(6d, 10f)を用います。
cart_basis
: trueの場合デカルト基底関数を使用します(デフォルトはfalse)。
Effective core potentials¶
PySCFに渡す有効コアポテンシャルは、dictsのリストとして指定することができます。
ecp
: 原子とそれに対応する有効核ポテンシャルを、dictsのリストとして、atom
フィールドとbasis
フィールドによって設定します。atom
: 有効核ポテンシャルを設定したい原子basis
: 有効核ポテンシャルを表現するための基底 (例:"crenbs"
、"lanl2dz"
など)
Atom specific basis¶
PySCFが使用する基底セットは、各原子に対してディクションのリストとして指定できます(有効核ポテンシャルと同様)。
このフィールドは basis
が設定されている場合には設定することができません。
atom_specific_basis
: 原子種およびそれに対応する基底関数を、dictsのリストとして、atom
フィールドとbasis
フィールドによって設定します。atom
: 原子種(例:Na
、``Cu``など)basis
: 基底関数 (例:"sto-3g"
、"6311++g**"
など)
入力例¶
"target_periodic_system": {
"geometry": {
"atoms": ["H", "H"],
"coordinates": [
[
[0, 0, 0],
[1.42, 0, 0]
]
],
"dimension": 3,
"trans_vector": [
[2.13, -1.2297560733739028, 0],
[2.13, 1.2297560733739028, 0],
[0, 0, 5]
],
"kpt_grid_shape": [2, 1, 1]
},
"basis": "sto-3g",
"num_excited_states": 0,
"cas": {
"active_ele": 2,
"active_orb": 2
},
"multiplicity": 1
}